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「オーダースーツの種類について 」

今回のコラムはオーダースーツの種類について

 

オーダーの人気が高まってきた現代では

様々なオーダーの名称が出てきます。

 

今回はZERBINOで認識している

オーダーの違いについてお話します。

 

 

 

フルオーダーとは?

フルオーダー/ス・ミズーラ

※仮縫い含め納期は約3か月以上

 

 

文字通りサイズ合わせからデザインまで

すべてお客様に合わせて

職人たちが手縫いで作り上げるオーダー。

 

採寸

型紙作成

裁断

仮縫い

本縫い

仕上がり

 

といった流れが基本です。

日本では一人の職人がすべて

行うことが多いですが、

本場イギリス、イタリアでは

ほとんど分業制です。

 

採寸する人をフィッター、

裁断する人をカッターと呼びます。

また縫製する人も

ジャケット、パンツ、ベストで分かれ、

更に芯据え、本縫い、袖付け、釦穴など

に分かれてそれぞれ得意な職人が

仕上げることがほとんどだそうです。

歴史のある有名テーラー(サルト)こそ

こういった流れが普通というのをよく聞きます。

 

お客様に合わせると言いましたが、

それも本場では微妙に理解が違うようです。

というのも、お客様に合わせていたら

多少のクセはあるにしても

ほとんどそのお客様の希望通りになってしまい

特徴が失われてしまいます。

文化の違いもありますが、

日本人と違い、海外のテーラーは

自分のこれが一番かっこいいという

自負心がとても強いように感じます。

どこのテーラーも唯一無二の技術をもつので

そう思うのは当然ですよね。

だからこそ個性が出て、

その人にお願いしたい、

そのお店にお願いしたいという

気持ちが湧いてくるのですから。

海外のテーラーでは

お客様がそのテーラーの特徴を掴み、

自分が仕立てたいデザインのショップに行く

というのが当たり前のようです。

 

少し話は逸れましたが、

フルオーダーとは

そのテーラー(創業者)の自慢のデザインで

そのお客様にぴったりと合った洋服を

作り上げること。

 

細かく採寸し、

一人ひとり線を引きながら型を起こし、

生地の特性と体型を考えながら裁断し、

仮縫いにてmm単位で調整し、

やわらかく体に添うように仕上げたものが

本物のフルオーダーだと考えます。

 

間違われやすいですが、

仮縫いがあるからといって

フルオーダーとは限りません。

 

イージーオーダーでも仮縫いは可能です。

※当社は行っておりません。

 

ちなみにス・ミズーラは

イタリア語で「あなたに合わせて」という

フルオーダーの意味です。

 

 

 

 

イージーオーダーとは?

イージーオーダー/セミオーダー/メイドトゥメジャー

※仮縫い無しで納期は約1か月程度

 

続いて、イージーオーダーです。

3つの名前を挙げましたが、

基本はどれもイージーオーダーと呼ばれるものです。

そもそもイージーオーダーとは

現在でもHANABISHIというオーダーショップを展開する

花菱縫製さんが考案した、工場生産の

オーダーメイドシステムのことです。

 

それまではフルオーダーが

当たり前の世の中でしたが、

あまりにも高価なため

一般には中々普及しませんでした。

 

しかし、花菱縫製さんが

様々な方に仕立て服を楽しんでもらいたいと

フルオーダーを工場のラインに乗せて

生産を始めたのが始まりです。

 

1着1着時間をかけて作り上げる

フルオーダーと違い、

効率を重視したイージーオーダーは

フルオーダーよりも安価で

体にフィットするものを作れることから

瞬く間に人気が出ました。

 

現在のオーダーはほとんどイージーオーダーか

パターンオーダーといっても過言ではありません。

 

縫製の流れは

CADに寸法データを入力し自動裁断

工場の生産ラインに流して各部位縫製

立体プレス(アイロン)

仕上がり

といった流れとなります。

 

確かにフルオーダーに比べれば

一から型紙を引くわけでもなく、

手裁断するわけでもなく

プレスもある程度自動でやってくれるので

かなりの工程が省けます。

 

しかし、

だからといって簡単な訳ではありません。

オリジナルのパターンを計算して作成し、

CADに入力するのも職人さんです。

工場の生産ラインに乗っても

縫製しているのは職人さんです。

立体プレスができるといっても

細かいいせ込みなどはすべて職人さんが手がけます。

省けるものは機械に頼り、

人の手でしか再現できないものは

人の手で行う、ある種のハンドメイドです。

 

イージーオーダーでも

体型補正は可能で、

かなり細かな寸法調整も行います。

 

フルオーダーほど

手間もかかっておらず

比較的安価ですが、

同じオーダーなので

時間をかけて生地をなじませ、

手縫いのようにゆっくりと

ミシンを踏むことで

着心地の良いものが仕上がります。

 

 

 

 

パターンオーダーとは?

※納期は約2週間~

 

イージーオーダーで終わりじゃないの?

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが

パターンオーダーも有名なオーダーの一つです。

 

パターンオーダーとは、

既製品のように、

デザイナー、もしくはパタンナーが

ブランドオリジナルのデザインを起こし

型紙を作成し、オーダーに落とし込んでいくものです。

一見イージーオーダーと一緒かと思われますが、

パターンオーダーは

各ブランド一番理想の形を作り、

独自の雰囲気を崩さないように

サイズ展開も限られており

補正にも制約が多くなります。

 

お好みのブランドがあり、

そのブランドのデザインも気に入り、

型紙との相性が良ければ

比較的安価に上質なスーツを手に入れることができます。

 

デザイン重視の方はパターンオーダーが

向いているかもしれません。

まずはショップでサンプルを着てみてください。

 

 

 

 

オーダースーツのハンドメイドとマシンメイドの違い

日本では約80%の工程を手縫いで行うことで

ハンドメイドを謳うことができます。

当然ミシンを使用した縫製よりも

手間がかかり、その着心地は素晴らしいです。

しかし、イージーオーダーでも

書きましたが、ミシンを使った

マシンメイドもバカにはできません。

 

大量生産が目的で、

効率よくミシンを踏んで

縫製する工場もありますが

ミシンの踏み方も工場によります。

手縫いまでとはいかないまでも

ゆっくりとミシンを踏み

中間プレスをしっかりしながら

縫製していく工場は

着心地の柔らかさを意識しており

マシンメイドでも着心地の良いスーツを

手に入れることができます。

 

 

 

 

 

 

毛芯仕立てのメリット・デメリット

総毛芯仕立て、ハーフ毛芯仕立て

なんて用語をオーダーをお考えの方なら

聞いたことがあると思います。

 

毛芯とは?

ジャケットの表地(皆様が選ぶ服地)を

縫い合わせる際に、肩のあたりから裾まで

前身に立体感とハリを持たせるために

入れる芯地のことです。

 

基本的に芯なしのジャケットは

カジュアル以外では

あまり作られることはありません。

毛芯とは限りませんが

接着芯、ポリエステル芯、

毛麻混紡の芯など

その作りや目的によって

様々な芯が存在します。

 

その前提を踏まえて

総毛芯仕立てとは何か?

前述の「毛芯とは?」で説明したように

肩から裾にかけてジャケットの

前身全体にしっかりとした芯をいれて

縫製する贅沢な仕様となります。

 

なぜ贅沢なのか?

毛芯自体は馬の毛を使用することが

多いのですが、品質も高く、

かなり高価なものでもあります。

もちろん表地のウールとも一番相性が良く

体への馴染み方が素晴らしく、そして何より

表地の風合いを一切損なうことなく

その良さを存分に表現してくれます。

しかし、その反面

天然素材同士の組み合わせなので

生地が固定されず、湿気や

日々の着用でシワがよりやすくなります。

それすらも本来であれば“味”として

認識されているのですが、

あまりシワが好きではない人にとっては

気になるかもしれません。

基本的にイタリアのサルトも

イギリスのテーラーも総毛芯仕立てなので

シワは自然と出てきます。

イギリスの縫製でシワになりにくいのは

生地の質が違い、

肉厚でハリがあるものが多いからです。

 

 

ではハーフ毛芯仕立てはどうなのか?

ハーフ毛芯とは、

肩から胸にかけて(真ん中の釦位置程度)

毛芯を使用し、残りは接着芯を使用して

仕立てます。

 

ハーフ毛芯が安い理由は

毛芯の量が単純に半分になるのと、

接着芯で生地を固定しているので

縫製がしやすくなるからです。

 

毛芯は表地にくっついているわけではなく、

縫い止めていますので

全体を縫製する段階で若干中の毛芯も動き

熟練の職人でなければキレイに縫製できません。

しかし、接着芯で固定してしまえば

格段に縫製しやすくなります。

 

ハーフ毛芯のメリットとは?

毛芯に比べて芯が薄いので

重量的にも軽い仕上がりになります。

先ほども書きましたが、

生地を固定している分

見た目もシワがあまりよらずキレイです。

 

デメリットは?

雨や湿度の高いところでは

接着芯が剥がれぶくぶくと生地が浮いてくる

バブリングという現象が

起きることがあります。

最近の接着芯は優秀なので

ほとんど問題ありませんが、

比較的安価な既製品などは

バブリングが起きやすいかもしれません。

 

このようにどちらの仕立ても

個性があります。

これもテーラー(サルト)の

考え方次第です。

どちらが良い悪いは特にありません。

 

ネットの情報では

総毛芯仕立てじゃないとダメくらいの

書かれ方がされていることもありますが、

チャージアップで総毛芯仕立てに

できるからと言って

それがとても良く仕上がるとは限りません。

場合によってはほとんど見た目が

変わらない仕立てになることもあります。

 

結局何を求めるかというところが重要です。

デザインなのか?

仕立てなのか?

生地なのか?

価格なのか?

 

何をあなたが望むのかで

自分の理想的なショップを

見つけることができると思います。

 

 

■あとがき・・・

 

いろいろとご説明しましたが、

ここまで読んでどのオーダー屋も

あんまり変わらないのでは?

と感じた方はあながち間違いではないと思います。

 

どのオーダーも自分たち独自の

カッコいいもの、着心地がいいものを

提供したいという姿勢は

本来のテーラー(サルト)と変わりません。

 

その中であなたが何を求め、

何を優先するかでショップを選ぶことが

満足のいく買い物ができる近道だと思います。

 

いくつもテーラーを周るのも

一つの手だと思います。

ネットで見ただけでは

本当の意味であなたに合うとは限りません。

ネットはあくまで

雰囲気を知るための入口です。

 

まずは入口で自分の好みの雰囲気を知り、

実際に出向いてモノをみて、

できればサンプルも羽織ってみて、

スタッフと少しでも会話して、

ここならいいかな?と思ったところで

オーダーしてみてください。

 

ショップをのぞいて、話を聞いて

やっぱり違うなと思ったところは

スタッフも無理に作ってほしいとは

思わないはずです。

むしろ他店を紹介してくれるかもしれません。

 

意外と各お店で個性は出ているものですよ。

 

 

 

ここまでご覧いただきありがとうございます。

このコラムがオーダーを考える(知る)

きっかけになれば幸いです。

 

素敵なドレススタイルで

余裕のあるカッコいい大人であり続けましょう。