【ZERBINO銀座店Blog】
みなさまこんにちは。
ZERBINO銀座店の田上です。
本日ご紹介する生地はこちらです。
Ermenegild Zegna エルメネジルド・ゼニア
CASHMERE 100% カシミヤ100％ 480ｇ
生地品番 37-4097
オーダーコート価格 ¥295,000+Tax(¥324,500)
みなさまはカシミヤに対してどんなイメージをお持ちでしょうか。
おそらく、衣料用の原料のなかでも最高とされているのが
カシミアではないでしょうか。
１頭のカシミヤ山羊から取れる毛の量は極めて少なく高価ですが、
『軽い』、『暖かい』、『手触りが良い』という、衣料としては
非常に重要な要素が揃った卓越した繊維であるからだと思います。
カシミヤ以上に高価とされている繊維にビキューナがありますが、
動物としての性質が粗暴なため飼育が困難なうえ、希少性が極めて
高いため、高価すぎて一般的な流通には適していません。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、カシミヤはインド北部の
カシミール地方にちなんで命名されたようです。
羊と同じように群れて生活する動物ですが、羊以上に耐寒性が強いため
より寒暖差の大きい高地での生育が可能です。
現在では中国の内モンゴル産が最良といわれています。
カシミヤ山羊は外側は太くて固いヘアーと呼ばれる毛に被われていて、
その内側に細くて柔らかいウールと呼ばれるうぶ毛がびっしりと生えています。
ヘアーが雨風を防ぎ、ウールが寒さを凌ぐのです。
そのうぶ毛を熊手状の道具で掻きとって繊維として使用します。
羊のように全身の毛を刈り取るわけではないのですね。
このうぶ毛に混ざっている固いヘアーや夾雑物などを取り除く工程が
良質のカシミヤ生地を作るためにとても重要です。
エルメネジルド・ゼニアはカシミヤに限ったことではありませんが、
現地の牧畜業者と常に密な関係を築き、その時々の最良の原毛を
買い付けています。また、紡績、染色、製織、仕上げと自社で一貫した
生産システムにより、品質の安定した生地作りを可能にしています。
このような背景で生産されたカシミヤ１００％のコート用の生地が
今回ご紹介している生地です。
カシミヤ生地の美しい毛並みは、薊（あざみ）の実の表面にあるトゲで
掻き出して起毛していきます。
通常はそのままプレスをかけて艶をのせていくのですが、
今回の生地は、更にひと手間かけた『波付仕上』という、
生地の表面が波打っているような模様をつけています。
表面が更にゴージャスになっていますね。
ウエイトは４８０ｇとカシミヤのコート生地としては一般的ですが、
生地にそれほど厚さを感じません。
糸の打ち込みが相当しっかりとされている証拠です。
しなやかさも申し分ありません。
見た目の美しさ、保温性、着心地の良さと三拍子揃った
素晴らしい生地だと思います。
ZERBINOではハイエンドのオーバーコートになりますが、
これほど良質なカシミヤ１００％の生地にはなかなかお目にかかれません。
是非とも実際に手に取ってお確かめください。
きっと頬ずりしたくなりますよ。
ZERBINO銀座店 田上
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