実はカスタムラインのスラックスが新しくなっています。 | ZERBINO BLOG

Blog & Information

実はカスタムラインのスラックスが新しくなっています。

【ZERBINO銀座店石井ブログ】

 

ZERBINO銀座店の石井です。

 

本日は商品紹介ではなく型紙のお話。

長いです。

お暇つぶしにどうぞ。

 

実は表題の通り

 

カスタムラインの

スラックス型紙が新しくなっています。

(体形によっては旧来の型紙の方が

相性がいい方もいらっしゃいますので、

新しい型紙を使用するかはフィッターの判断に

寄るところもあります。)

 

 

これは私が主導で行った企画ですので、

拘りたっぷりです。

 

 

オーダーって身体に合わせるから

どこでも作っても同じでは?

と思っている方が結構いらっしゃるようです。

ですがそれは全く違うと断言できます。

 

たとえフルオーダーであったとしても

職人による癖は出てきますし、

イージーオーダーでしたら

元となる型紙がどれだけ「イケてるか」

がかなり重要になっています。

 

 

イージーオーダーは

ベースとなる型紙を

 

「お客様ごとにサイズ入れ」

「体形補正」

 

といった流れになりますので

元がよくないといくら合わせても

「イケてるスラックス」

になりません。

 

私が好きなのはヒップから

「ストーン…」と落ちるシルエットです。

ヒップの落ち感や小股(内股あたり)

がすっきりしているスラックスを目指しました。

こういったスラックスは

「小股の切れが良い」

等というらしいですよ。

 

 

では綺麗なスラックスと

普通のスラックスでは何が違うのでしょう?

だって各所の寸法測ると同じなんですよ。

でも履くと絶対に違うんです。

 

もちろん縫製や癖どり、

副資材など様々な違いはありますが、

 

やはり一番は型紙(パターン)です。

型紙は最早デザインであり、

渾身の力を込めて作らなくてはなりません。

服作りにおける最大の山場です。

(私はもっとパタンナーという仕事が

荒稼ぎ出来る世の中になるべきだと考えています。)

 

 

 

元々の型紙も履きやすくてよかったのですが、

(というか履きやすさで言えば旧来の方が履きやすいかもしれません)

より綺麗に見せるために、

さらなる工夫が必要だと常々考えておりました。

 

私も気づけば十年近く服飾業界に

身を置いていますから、

経験から、かっこよく見えるスラックスの

特徴が見えてきていました。

 

工場の方へこの話を持ち込んだところ、

快く開発に取り組んでくださり、

二人で試行錯誤しながら、

且つ様々な情報を交換しながら

今回新たな型紙をリリースすることができました。

お忙しい中本当に感謝です。

 

今回はその拘りポイントをお話します。

 

 

 

 

 

ZERBINO COSTOM

 

※こちらが新型。

矢印の方向を重要視して

型紙づくりを行いました。

 

 

 

①より平尻へのアプローチを強く

フィッティングをしていると

様々なデータが経験として蓄積されていきますが、

日本人の方は大体お尻が落ちています。

なので生地が下方向へ余ってしまい、

尻下にたるみが出ます。

 

スラックスのお尻のラインである「尻ぐり」という線があるのですが、

そこが余ってしまうわけですね。

新型紙ではそのあまりを削ることで、

横から見た際にストーンと

落ちるようなシルエットになりました。

 

 

とは簡単に言いますがこれが非常に塩梅が難しく。

当初できたものはここを削りすぎて

確かに綺麗ではあるのですが、

非常に履き心地の悪い型紙でした。

テストで一日履いてみましたが、

お尻の線が狭いとなぜか

前の股間部分も引っ張られて

一日履けたもんじゃありませんでした。

 

 

布が余っていれば当然動きやすいですが

逆を言えば布が体に近づけば近づくほど

スタイリッシュに見える分

動きづらさが出てきます。

このバランスが非常に難しく、

何回もやり直し、ようやく今の形になりました。

 

 

ZERBINO PANTS

 

 

②O脚へのアプローチを強く。

これもまた、日本人のほとんどは

多かれ少なかれ足が曲がっています。

骨盤が開いているのか、

それとも膝下が曲がっているのか、

原因は様々ですが。

 

センタークリースの線を内側に振り、

また骨盤付近の型紙もやや傾斜をつけることで

前から見た際に、

よりまっすぐ落ちて見えるようにいたしました。

 

脚がまっすぐな方も稀にいらっしゃいますが、

その方もより綺麗に見えるように工夫しています。

 

 

③ヒザ位置を高く

人間はヒザの位置が高いと足がスラーっと見えます。

型紙自体をそのように設定することで、

脚が上から始まっているような見た目になります。

これによって

寸法以上に細く見えるはずです。

 

 

 

以上が新しい型紙の拘りです。

 

こう文章にしてしまうとなんだか簡単そうですが、

かなり大変でした…。

 

 

あちらが立てばこちらが立たず

といった具合に、バランス感が非常に重要なんだなと

実感いたしました。

 

 

上記の特徴から、逆に

・お尻やお腹のボリュウムがある方

・出尻(お尻が上がっている方)

にとっては少々履きづらく相性が悪い可能性があります。

そういった方には従来の型紙の方が相性がいいかもしれません。

 

 

通常、スラックス型紙の選定は

お身体の特徴をみて

フィッターが選択しますので、

お伺いしないことがほとんどですが、

もし気になる方は聞いてみてください。

 

 

スラっと見えるように作りましたので、

必要以上に細くしてしまうと、

とても履きづらくなります。

 

 

実はここがミソなんですが、

私は決して「細いスラックス」

を作りたかったわけではないのです。

 

 

ZERBINOのスタッフを見ていると感じるかと思いますが、

あまり細いスラックスを

履いているスタッフはいなく、

どちからというと

太いパンツが市民権を得ています。

 

 

適度に太く作ってあげると

エレガントに生地が揺れ、ドレープを作ります。

これがクラシックでエレガントな雰囲気を演出します。

(あと着やすい)

 

 

この時、もともと太めに作られている型紙だと、

だらっとしたよくない余りが出てきてしまいます。

 

 

逆に、今回の型紙を使って

太めなスラックスを仕立てると、

太さはあるにも関わらず、

綺麗にまとまった美しいスラックスになるかと思います。

 

 

本当の狙いはそこにあります。

私は体型の癖も相まって太くスラックスを作ると、

ゆるゆるに見えて悩んでいたのが

今回の型紙開発の発露でした。

 

 

決して細身パンツを否定するわけではありませんが、

新型紙を使用する際は

従来より太くして見るのもお勧めです。

 

 

 

 

長々と失礼いたしました。

私の拘りが少しでも伝われば幸いです。

 

 

以上石井でした。

 

関連記事

Luxury Line ZFモデルの魅力について

 

*******************************************************

 

銀座店専用LINEアカウント

お問い合わせなどお気軽にご連絡ください。

パソコンでの対応となりますので

返答にお時間をいただく場合がございます。

お急ぎの場合はお電話いただければ対応いたします。

ID : @qfo7587s

 

 

■ZERBINO TOP

URL: https://www.zerbino.info/

 

■ZERBINO Gallery

URL: https://www.zerbino.info/gallery/suit

 

■ZERBINO Item & Price

URL:https://www.zerbino.info/item/

 

■Instagram

URL:https://www.instagram.com/zerbino_fundress/

*******************************************************