【ZERBINO-ゼルビーノ- 虎ノ門 Blog 大西千波】
皆様こんにちは!
ZERBINO虎ノ門店の大西です。
本日ご紹介するのはこちら。
Fabric:Scabal ~Formal~
Order Suit
Custom Line:¥91,300 in tax
Luxury Line:¥158,400 in tax
品質:W100%
品番:18-055
日本では必須とされるブラックスーツ。
慶事、弔事共に使える漆黒の礼服生地でお仕立て頂きました。
スキャバルの礼服用生地です。
ZERBINOで取り扱う礼服としては最上位に来るブラックスーツです。
一般的に礼服にはAMFステッチを入れません。
それすら飾りとみなされてしまうため、礼服の場合は付けない方がほとんどです。
弔事においてはネクタイもディンプルを作ることはNGです。
礼服専用にするにはAMFステッチ以外にもベントも変更する必要があります。
最もフォーマルなものはノーベント。
袖釦も重ねるよりキッシングにした方がベターでしょう。
釦数についてもよく聞かれますが、結論3つでも4つでも関係ありません。
よほど人からの見た目が気になる場合は3つの方が飾り気がなくていいと思います。
他にも礼服仕様で裾デザインはシングルというのが一般的なものです。
個人的に礼服をお仕立てする際にご提案させていただくオプションがアジャスター(¥3,300税込)です。
滅多に着ることが無いスーツは、いざという時にサイズアウトしていることが多いです。
自分もいざ着るときが来た時にそうでした。
このアジャスターがあれば数㎝出し詰めができるので、急用があっても問題なく着用できます。
見た目は格好良くないので、実用性重視ならお薦めです。
ところで、先日デイビット・ベッカム氏が大英帝国勲章「ナイト」を受勲し、「サー」の称号が与えられたのはご存じでしょうか。
イングランド代表として115試合に出場し、2012年のロンドン・オリンピック招致でも重要な役割を果たしたほか、
2005年から国連児童基金(ユニセフ)の親善大使を務め、更には2024年にチャールズ国王が皇太子時代に設立した信託基金のアンバサダーに就任した経緯などを踏まえ叙勲されたそうです。
叙勲式に着ていたサー・デイビットのスーツが少し話題となっています。
それがこちらです。
ものすごい素敵なスーツですよね。
しかし、話題となっているのはスタイリングや生地ではなく、ディティールについてです。
そうです。裾デザインをダブルにしています。
モーニングスーツには一般的にルールがあり、ベストやスラックスはジャケットと異なる服地にするのが基本ですが、
ベッカム氏が着用しているのは共地のスリーピース、ベストもダブルベストです。
英国では『ナイトを授かるような紳士がマナーを間違えるはずがない』と言われているようですが、
実はこのスーツ、叙勲式に参列することが決まった際に、サー・デイビットが過去にチャールズ国王が着用したモーニングスーツにインスパイアされ、
「これと同じようなものを着たい」とレディ・ヴィクトリアに依頼をしてオマージュされた特注品とのこと。
ヴィクトリア氏がメンズスーツのデザイン、制作をしたのがこれが初めてなようです。
かなり昔の写真ですが、チャールズ国王の着こなしもさすがですね。
結果的にチャールズ国王はこのスーツを見て感心し、喜ばれていたようです。
確かにフォーマルな場としては裾がダブルはいかがなものか。という意見も分かりますが、
私は当の本人たちがそのスタイルを理解し、楽しんでいるなら良いのではと思います。
ただし、それは『正式なルールを理解した上で』です。
きっとベッカム氏も今回の報道を見ても、『あ、礼服てそうなんだ…』とはなりません。
相手のことを敬い、【意図的に】そのデザインにしていて語れれば面白いのではないでしょうか。
フォーマルな場としては不向きですが、チャールズ国王にとってはむしろ嬉しいことのように思えます。
この二人の表情を見ているとそう感じますよね。
とはいえ、間違いのない選択をするならルール通りにしておく方がベターです。
私たちもご紹介するときには、必ずそのルールに乗っ取った話をさせて頂きます。
強いて言えば慶事と弔事で異なるかと。
現在慶事はかなり自由度が増しているため、今回の式典のような時は、ホストに合わせてスタイルはありだと思います。
弔事ではルール通りにしておく方が良いと思います。
私は略礼服でなく、慶事弔事それぞれの礼服を持っていますが、
略礼服という兼用の物はしっかりと考えてディティールをご選択ください。
ちなみにヴィクトリア氏のinstagramにある写真をよく見ると、ハルステッドのような、ドーメルのような、3PLYくらい糸の太い生地でした。
英国製のウールモヘヤとしか書いていないので、どこのメーカーか気になりますね。。。
慶事用ということであれば改めてチャコールグレーの服地は上品な光沢を放つため、慶事に是非提案したい色だと感じました。
略礼服ではなく慶事用スーツをお求めの際には是非ご検討ください。
引用元:https://www.instagram.com/victoriabeckham?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
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