カノニコ(VBC)の魅力とは?|360年続く生地メーカーと生地ができるまでの工程 | ZERBINO BLOG

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カノニコ(VBC)の魅力とは?|360年続く生地メーカーと生地ができるまでの工程

【ZERBINO~ゼルビーノ~ 虎ノ門 Blog 佐藤赳斗】

 

皆さま、こんにちは。

ZERBINO虎ノ門店の佐藤です。

 

先日、イタリアの老舗生地メーカー

“Vitale Barberis Canonico”が開催した「Fabric Academy」に参加してきました。

 

普段からスーツに関わる仕事をしていますが、

生地メーカーから直接お話を聞ける機会はそう多くありません。

カノニコ CANONICO VBC

 

今回は生地の背景や生産工程など、非常に興味深い内容を学ばせていただきましたので、

その一部を皆様にも共有したいと思います。

 

スーツがお好きな方であれば、一度は名前を聞いたことがあるメーカーではないでしょうか。

 

日本では「カノニコ」という名前で知られていることが多いですが、

本国では「VBC」という呼び方を広めていきたいそうなので、今回はVBCで統一してご紹介していきます。

 

 

VBCとはどんな生地メーカーなのか

VBCは360年以上の歴史を持つイタリアの老舗生地メーカーです。

 

創業は1663年。

現在に至るまで同じ家系によって経営が続けられており、

イタリアのテキスタイル産業の歴史とともに歩んできた企業でもあります。

 

本拠地はイタリア北部、アルプスの麓に広がるビエラ地方のプラトリヴェーロ。

カノニコ CANONICO VBC

 

この地域は、世界的にも有名な高級ウール生地の産地です。

その理由の一つが「水」にあります。

 

ウール生地の製造には大量の水が必要になりますが、

ビエッレーゼ地方にはアルプスから流れるミネラル分の少ない良質な水が豊富にあります。

羊毛の洗浄や染色、仕上げなど、生地づくりのさまざまな工程でこの水が使われています。

 

今回のAcademyでも、水の質が生地の品質に影響するという話が印象的でした。

 

 

世界中のテーラーから支持される理由

VBCは現在、従業員約480名、世界40カ国以上にエージェントを持ち、

世界中のブランドやテーラーへ生地を供給しています。

 

そして現在では、イタリア最大級の生地生産量を誇るメーカーでもあります。

カノニコ CANONICO VBC

 

とはいえ、単なる大量生産のメーカーというわけではありません。

実際に生地バンチを見ると分かりますが

・ベーシックなビジネススーツ生地

・フランネルやツイード

・モヘア混の夏生地

・ジャケット生地

など、とにかくバリエーションが豊富です。

 

ZERBINOでもVBCの生地は非常に人気がありますが、

多くのお客様が感じられるのは

「品質と価格のバランスの良さ」

ではないでしょうか。

 

今回のAcademyでも、この点は強く語られていました。

 

高品質な生地を、安定した品質で世界中に供給できる。

それがVBCの強みでもあります。

 

 

200年以上続く企業だけが加盟できる協会

VBCは2013年、

“Les Hénokiens(ル・エノキアン協会)”にも加盟しています。

 

この協会は1981年にパリで設立された組織で、

200年以上同一家族によって経営されている企業のみが加盟できる国際組織です。

 

名前は旧約聖書に登場する長寿の人物「エノック」に由来しているそうです。

 

協会の理念は、

数世紀にわたり受け継がれてきた企業文化や価値観を守り、次世代へ伝えていくこと。

 

長い歴史を持つ企業の中でも、

さらに限られた企業だけが参加できる特別な組織です。

 

 

ヘリテージとイノベーション

VBCの特徴として長い歴史を持ちながらも、ただ伝統を守るだけではなく、

新しい技術やトレンドも積極的に取り入れていくところも挙げられてました。

 

そのバランスこそがVBCの考え方だそうです。

 

実際、

・最新設備を導入した工場

・サステナビリティへの取り組み

・デジタルツールの導入

など、かなり積極的に新しいことにも取り組んでいます。

 

とはいえ、

生地作りの基本となる部分はしっかりと守り続けている。

 

この「古さ」と「新しさ」のバランスが、VBCの魅力なのかもしれません。

 

 

VBC最大の特徴「一貫生産」

そして、今回のAcademyで特に印象的だったのが

VBCの一貫生産体制です。

 

VBCは原毛の買い付けから生地の完成までを自社で管理している

数少ないファブリックメーカーです。

 

つまり

羊毛 → 糸 → 生地 → 仕上げ

このすべての工程を自社でコントロールしています。

 

では、実際にどのように生地が作られていくのか。

その流れを簡単にご紹介します。

 

 

生地ができるまでの工程

洗浄

まず最初は、刈り取られた羊毛の洗浄です。

 

羊毛には自然環境の中で付着した汚れや不純物が含まれているため、

大量の水とローラーを使い丁寧に洗浄していきます。

 

ここで使われる水の質も、生地の仕上がりに大きく影響します。

 

コーミング

洗浄された羊毛はカード機でほぐされ、

スライバーと呼ばれる帯状の状態になります。

 

その後、短い繊維を取り除きながら繊維を平行に整える

コーミング工程が行われます。

 

この段階でできる半加工素材を「トップ」と呼び、

その品質が最終的な生地の耐久性にも関わってきます。

 

紡績

トップはさらに整えられ、蒸気と撚りを加えることで

糸へと紡がれていきます。

 

多くの場合は複数の糸を撚り合わせることで、

強度と耐久性を高めています。

 

こうして、ようやく生地の原料となる高級糸が完成します。

 

染色

染色方法には主に2種類あります。

 

糸染め(トップ染め)

→ 奥行きのある色合いが出る

後染め(生地染め)

→ 均一でムラの少ない色になる

 

デザイナーの指定した色を正確に再現するため、

専門家による細かな管理が行われています。

 

経糸成形

生地は「経糸」と「緯糸」が交差して作られます。

 

この工程では、織りに使う経糸を巨大なシリンダーへ巻き取りながら整えていきます。

順番を間違えると生地に欠陥が出てしまうため、

レーザーセンサーでモニタリングしながら慎重に進められます。

 

織り

上下に動く経糸の間を、圧縮空気のジェットで緯糸が通され、

筬で打ち込みながら生地が織られていきます。

 

驚くほどのスピードで織られていきますが、

最終的には熟練したスタッフの目でチェックが行われます。

 

仕上げ

織り上がった生地は最後に仕上げ加工が行われます。

 

・夏生地 → クリアカットで滑らかな表面に

・冬生地 → 縮絨加工で膨らみと重量感を出す

 

さらにローラーでプレスをかけたり、蒸気を当てたりすることで

生地の風合いを整えていきます。

 

ここで初めて、その生地の個性が完成します。

 

徹底した品質チェック

完成した生地は、なんと4回も検品されるそうです。

カノニコ CANONICO VBC

ここまで徹底した品質管理が行われているからこそ、

世界中のテーラーから信頼される生地になっているのだと感じました。

 

生地の背景を知ると、見え方が変わる

今回Fabric Academyに参加して改めて感じたのは、

一枚の生地が完成するまでに本当に多くの工程と人の手が関わっているということでした。

 

普段は多くある生地の中の一枚として見ている生地ですが、

その背景を知ることで、また違った見え方をしてきます。

 

ZERBINOでもVBCの生地は数多くご用意しております。

実際に手に取っていただくと、生地の表情や質感の違いもより感じていただけると思います。

 

今回学んだ内容も交えながら、

皆様に合った一着をご提案させていただければと思います。

 

気になる方はぜひ店頭でご覧になってみてください。

 

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ZEBRINO虎ノ門 佐藤

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